グローエンスの越智です!

皆さんの記憶にも新しいと思いますが、経団連が現状の日本型雇用のあり方について発言をしておりました。

具体的には、経団連の中西宏明会長が「終身雇用を前提に企業経営、事業活動を考えるのは限界」と話されていたり、トヨタ自動車の豊田章男社長が日本自動車工業会の会見で「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と話されていたりしております。

日本型経営とは?

終身雇用を前提にした長期雇用のこと。
また、企業によっては年次により役職と給与があがること。

これに対し、日本労働組合総連合会(連合)の神津会長は下記のように応答されるなど、労使間で協議を続けております。

※日経ビジネスより引用

神津会長は2019年9月の日経ビジネスのインタビューでは、大企業が抱える課題についても、「経営側から見たら、給料をたくさんもらっているのに働かないミドル・シニア層の処遇を厳しくしたくなるだろうが、それは経営としてやるべきことを怠ってきた結果」と、経営側の責任を厳しく指摘している。「労使は鏡の関係」とも言い、なぜモチベーションが下がるのかについて経営側は労働者側の声にもっと耳を傾けるべきだとも訴えている。」

これは中々難しい問題ですよね。

私は日本型雇用の恩恵を受けずに社会人になりましたが、バブル期に入社したミドル・シニアの方などは、バリバリにこの恩恵を受けているため、我が事として捉えているのではないかと思います。

今までは内需だけで成り立ってきたような企業も、迫りくる人口減に向けて、グローバルで稼ぐ力をつけなければ、生き残ることは難しい時代になってきます。

ましてや、経団連に加盟をしているような大企業ともなれば図体が大きいため、かなりの危機感を感じていることも汲み取れます。

では、日本型雇用と対を成すものとはなんでしょうか?
それは、ジョブ型雇用というものになります。

日本で雇用される場合、職務内容について明確の定義を設けていない企業が多く見受けられますが、海外の場合は、ジョブ・ディスクリプション(JD)と言って、職務内容を明確に定義づけている企業が多いです。

そういった中で、日本型雇用からジョブ型雇用に切り替えを検討している企業が、どのようなに感じているのか、ということについて、HRnoteさんの記事を紹介したいと思います。

※引用:HRnote ジョブ型雇用への移行に伴う経営課題は「企業と従業員の間のつながりの希薄化」と判明
https://hrnote.jp/contents/news/roumu-unipos-20200417/

企業側が感じているデメリットについて

・会社の良い企業風土や一体感が失われること
・契約内容(賃金)以外の貢献が減ってしまうこと
・会社の経営理念・ビジョンが浸透しづらくなること

などが紹介されておりました。

カチッと定義をできないところにも価値があり、その価値を重要視している企業や経営者が多いような印象を持ちますね。
職務は全うしてもらいつつ、理念やビジョンに向けて、一緒に走ってほしい、そのための組織貢献もしてほしい、というように感じている方が多いのでしょうか。

従業員が会社に抱く印象は?

経営者や企業の考えとは裏腹に、従業員からすると、
2人1人にあたる53%が「会社に大切にされていないと感じているようです。

経営者との認識の齟齬がすごいですね…!

従業員からすると、組織貢献、理念・ビジョンへの理解など、そこまで求めるな!という感じでしょうか。

今や転職をすることが当たり前の時代になりつつあるので、長期的に在籍をすることが目的ではなく、あくまでその職場職場でスキルを磨き、自身のキャリアアップに繋げようと考えている個人の方が多いように感じます。

まとめ

以前であれば、長期雇用に伴い、賃金が上昇していくというインセンティブを与えることで、従業員の方も、それならば長く頑張ろう、という状況が変化しつつあります。

企業を取り巻く環境の変化、SNSの発達による個人が自由に情報を取得できるようになったことなど、様々な要因が考えられますが、変化は不可逆的な存在なので、お互いの利得が最大になるように、企業も変わっていかなければこの先生き残ることは厳しい時代になっております。

企業も従業員も一緒に成長をしていけるように、せめてお互いが納得のいくところまで意見を交わし、歩み寄ることが大切だと考えます。