これから日本で就労するみなさん、家はどうしますか?

会社が用意してくれる人もいるかもしれませんが、そうでない人は自分で家を探さなければなりません。どんな選択肢があるのか?どうやって契約するのか?契約完了までに期間はどのくらい必要なのか?など色々な疑問があると思います。

疑問は解決できても、日本の賃貸契約は非常に独特(面倒で複雑でお金がかかる!)で、母国との違いに驚く外国人の方々が多いです。

今回は、外国人が日本で賃貸契約するための”TODO”をご紹介します!

日本で賃貸契約ができる外国人の条件って何?

最低条件を3つご紹介します。

① 在留カード所有者(=半年以上滞在可能なビザ保有の外国人)

観光で日本に来る外国人は賃貸契約ができません。

② 住民登録済みの外国人

日本に入国後すぐに賃貸契約をすることはできません。一度、住民登録ができる所に滞在が必要です(例:マンスリーマンション、シェアハウス)

③ 日本の銀行口座保有者

銀行口座を開設するには上記の住民登録が必要です。銀行によっては、社員証や在籍証明書が必要な場合があるので、会社に就職しているということが前提となります。入居後の毎月の賃料も銀行振込になりますので、銀行口座が必須です。

④ 契約金(平均約40万円以上)を一括で支払える人

賃貸契約には多額の契約金が必要です。これを一括で払う必要があるので、まとまったお金を準備できないと契約ができません。

ちょっとまって・・・上記の条件が満たせないという場合は?

残念ながら、上記の条件を満たしていないと日本で賃貸契約をすることができません。では、そんな人はどうしたらいいのでしょうか?おすすめは「シェアハウス」に住むことです。シェアハウスというと、複数人で同じ部屋に住み、完全にプライバシーがなくなってしまうと思う人もいるかもしれませんが、違います。ほとんどは、寝室は個別に設置されており、キッチンやシャワーのみ共有となっています。家具や家電も付いていますし、毎月の賃料も賃貸より安いです。

シェアハウスはこんな人におすすめ!

・賃貸契約をする条件が満たされていない人(半年以内の短期滞在者)

・多額の契約金を一括で支払うことが難しい人

・共同生活が苦にならない人

・家具や家電付きの部屋に住みたい人

・いろいろな人とコミュニケーションを取りながら生活できる人

話が少々ずれましたが、日本での賃貸契約のお話に戻りましょう!

日本での賃貸探しの流れは?

① 不動産仲介会社に相談(店舗へ行くorインターネットから問い合わせる)

② 不動産仲介会社と一緒に内見

③ 申し込み(仮押さえ)

④ 入居審査

⑤ 契約

⑥ 入居

賃貸探しポイント①:外国人専門の不動産会社に相談しましょう

一般の賃貸検索Webサイトから問い合わせをしてもいいですが、最終的に紹介してもらえる物件数を考えると、「外国人専門の不動産会社」に相談する方が効率的です。

契約時も外国語の通訳者が同席してくれたり、日本語でやりとりすることに不安のある人は「外国人専門の不動産会社」に手伝ってもらうことをオススメします!

賃貸探しポイント②:必ず「審査」があります

審査は通常2回、「管理会社」と「貸主(オーナー)」からされます。審査では以下を明確に証明することが求められます。

・あなたの身元

・収入、支払い能力

・緊急時の連絡先

・連帯保証人

・日本語能力(提出書類はなし)

審査では、職業や生活状況に加え、外国人は「日本語能力」が重視される場合が多いです。全く日本語が話せない人は、残念ながら審査に通らないことがあります。

賃貸探しポイント③:「連帯保証人」が必要です

外国人にかかわらず、賃貸するには連帯保証人が必要です。外国人の場合、保証人になってくれる人を探すのは難しい場合が多いので、そのときは外国人対応の「保証会社」を利用することができます。

入居審査に必要なものは?

入居審査では「あなたの身元」「収入」「緊急時の連絡先」を証明するために以下の書類が求められます。

① パスポート

② 在留カード

③ 住民票の写し

④ 在職証明書、社員証、保険証

⑤ 緊急連絡先(日本在住の日本語が話せる人)

⑥ 保証人、保証会社

⑦ 印鑑

⑧ 日本の銀行口座、クレジットカード

(※必要書類は管理会社によって異なります。上記は一例です。)

え?!住民票?保証人?印鑑?銀行口座?持ってないけどどうしたらいいの?という人の為に、来日前後7日間の”TODO”を具体的にご紹介します。

外国人が日本で賃貸契約するための来日前後7日間の”TODO”

【来日前】

①短期宿泊先の手配をしましょう(マンスリーマンションOK、シェアハウスOK、ホテルNG)

※必要期間は人によって異なりますが、15〜30日間用意しておくと、余裕をもって賃貸探し&契約ができると思います。

【来日後】

① 住民登録をしましょう(短期宿泊先の最寄り役所でできます)

② 印鑑を作りましょう(インターネットや店舗で作ることができます)

③ 銀行口座を作りましょう(短期宿泊先の最寄り銀行で開設できます。※会社が発行した在籍証明書が必要になる場合があります)

④ 携帯電話の契約をしましょう(賃貸契約時に入居者の連絡先として必須です)

①〜④の準備が完了して、初めて賃貸探しをスタートすることができます。

①〜④を完了するまでに約2日間、不動産会社に連絡してから契約が完了するまでに約10日間以上は必要になります。

来日後、「とにかく早く家を決めたい!」という人は14日間ほど、

「じっくりいろいろな家を見ながら決めたい〜」という人は30日間ほどの期間を用意しておくといいでしょう。

初めて賃貸契約する人は要注意!外国人トラブル例

① 契約者以外の入居はできません!

契約している入居者以外が居住する場合は、申請手続きをしなければなりません。貸主の許可なく友人と同居することは違反になりますので注意してください。

・友人と同居したい場合:管理会社に報告し、申請手続きをしてください

② 解約料、更新料が必要です!

基本的に賃貸の契約期間は2年間です。契約期間内(2年以内)に解約をすると解約料が発生します。

また、契約期間後(契約3年目)も継続して住みたい場合は更新料を支払います。

・契約期間内に解約したい場合:解約料を支払ってください

・契約期間後も住みたい場合:更新料を支払ってください

・契約期間満了で解約したい場合:無料

③ 退去時は清掃をしてください!

退去するときは「原状回復」しなければなりません。入居したときと同じ状態で退去します。ゴミや不要な家具を置いていくことはできません。自分で処理しましょう。

・退去するとき:自分で清掃をし原状回復する

④ 壁紙に注意してください!

壁に穴を開けたり、色を塗り替えたりしてはいけません。もし、行った場合は退去時に修繕費用を請求されるので注意しましょう。

⑤ 家具・家電はありません!

日本の賃貸は基本的に家具や家電はなく、必要なものは自分で購入しなければいけません。購入する場合は、配送の予約もしなければいけないので、入居までに余裕をもって準備をしましょう。もし、家具や家電を自分で買いたくないという場合は、「シェアハウス」や「ソーシャルアパートメント」がおすすめです。

◆まとめ

日本で賃貸契約ができる外国人は、半年以上の長期滞在者でなければなりません。また、日本語ができないと契約不可など外国人にとっては少々厳しい貸主もいます。

スムーズに賃貸契約をするには、来日前に短期宿泊先を手配し、来日後は速やかに住民登録や銀行口座開設を行う必要があります。賃貸契約をするまでには時間と様々な手続きが必要になることを考慮し、余裕をもって行動しましょう。

本記事で、わからない言葉があれば、こちらをご参照ください。

・もっと詳しく賃貸契約について知りたい

・おすすめの外国人専用不動産会社やシェアハウスを教えて欲しい

・賃貸契約について困っているので相談したい

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